貸付事業用宅地等の見直し / 小規模宅地等の特例

貸付事業用宅地等についての小規模宅地等の特例は、被相続人又は生計同一の親族が行っている貸付事業(不動産貸付業、駐車場業、自転車駐車場業及び準事業に限ります。)の用に供されていた宅地等を取得した者(被相続人の親族)が貸付事業継承要件や保有継続要件などの要件を備えた者である場合には200㎡まで課税価格を50%減額するものです。準事業とは事業と称するに至らない不動産の貸付けその他これに類する行為で相当の対価を得て継続的に行うものをいいます。

相続等により被相続人が貸付事業を行っていた宅地等を取得した親族は、相続開始時から申告期限までの間に被相続人の貸付事業を引き継ぎ、申告期限まで引き続きその宅地等を保有し、かつ、その貸付事業の用に供していることが必要です。

被相続人と生計同一の親族が相続開始前から自己の貸付事業を行っている場合は、相続開始時から申告期限まで引き続きその宅地等を有し、かつ、相続開始前から申告期限までその宅地等を自己の貸付事業の用に供していることが必要です。

相続開始前3年以内に貸付事業の用に供された宅地等

ただし、被相続人又はその生計同一の親族が行っている貸付事業の用に供されていた宅地等であっても、その被相続人の相続開始前3年以内に新たに貸付事業の用に供された宅地等は小規模宅地等の特例の対象から除かれます。

これは、以前はこのような要件は設けられていなかったところ、相続開始前に貸付用不動産を購入することにより金融資産を不動産に変換し、金融資産で保有する場合に比し相続税評価額が圧縮され、かつ、小規模宅地等の特例も適用できるというような状況に対応するため、平成30年度税制改正により見直されたものです。

なお、相続開始前3年以内に新たに貸付事業の用に供された宅地等であっても、相続開始の日まで3年を超えて引き続き準事業以外の貸付事業を行っていた被相続人又はその生計同一の親族の貸付事業に供されたものは、金融資産を不動産に変換して節税策を講じるものともいえないことから、小規模宅地等の特例の適用を受けられます。