各相続人の相続税額を算出する場合の端数計算

各人の相続税額は、相続税の総額(A)を課税価格の合計額(B)に占める各人の課税価格(C)の割合(按分割合)により按分計算する(A×C÷B)。この計算は、各人の課税価格(C)/課税価格の合計額(B)という分数で行えば端数は生じないものの、小数計算を行うと端数が生じる。相続税法は按分割合を分数とするか小数とするか規定していない(相法17)。

課税実務では、小数点以下2位未満の端数がある場合において、財産の取得者全員がその割合を小数処理することに合意し、その割合の合計が1となるように端数処理をしているときは、これを認めるとしている(相基通17-1)。

税務署長が決定又は更正処分をするときは原則として分数処理を行うが、納税者が小数処理をして申告しているときは、選択に従って端数処理をすることができるとしている(相基通17-1)。

しかしながら、配偶者の税額軽減の計算においては、配偶者の納付すべき相続税額に直接的な影響を及ぼすことから、仮に小数点以下2位未満の端数処理であっても、控除する金額にかなりの差額が生ずることになることから、この計算においては、一切端数処理を行わず円単位まで正確に計算することとされている(相基通19の2-7)。

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