保険契約者(保険料の負担者)である被相続人が、自己を被保険者、死亡保険金の受取人を相続人等としていた生命保険契約は、他人のためにする保険契約であり、支払われた保険金は民法上の相続財産ではない。
例外的に、被相続人が自己を受取人としていた場合、被相続人が取得した保険金請求権が相続財産となり分割協議の対象となる。
被相続人が負担していた保険料に対応する死亡保険金は相続税の課税対象となる(相法3①一)。
相続人一人につき500万円まで非課税である(相法12①五)。この場合の相続人には相続を放棄した者及び相続権を失った者を含まない(相法3①、相基通12-8)。
相続人が相続により取得したものとみなされる保険金のうちに国等に相続財産を贈与した場合の相続税の非課税規定(措法70)の適用を受ける部分があるときは、前記の非課税部分の金額は、相続人が相続により取得したものとみなされる保険金の合計額から国等に贈与した部分の金額を控除し、控除後の保険金の合計金額を基礎として計算することとされている(相基通12-9)。
生命保険金の受取人とは保険約款等に基づいて保険事故の発生により保険金を受け取る権利を有するものをいう(相基通3-11)。
保険契約上の保険金受取人以外の者が現実に保険金を取得している場合、保険受取人の名義変更の手続がなされていなかったことについてやむを得ない事情があると認められる場合など、現実に保険金を取得した者が保険金を取得することについて相当の理由があると認められるときは、現実に保険金を取得した者を保険金受取人とすることとされている(相基通3-12)。