代償分割が行われた場合の相続税の課税価格の計算

代償分割とは、ある相続人や包括受遺者が相続財産を現物で取得する代わりに、他の共同相続人や包括受遺者に対し債務を負担する遺産分割方法。相続財産のうち、自宅など処分が困難な財産があるとき、その不動産を所有し使用する必要がある相続人が当該財産を取得し、他の相続人には自己が所有する現金や不動産などを交付する債務を負担する方法。

相続の放棄

相続の開始を知った日から3ヶ月以内に家庭裁判所に相続の放棄の申述を行い、受理審判された者は、その相続について初めから相続人でなかったものとみなされる。相続の放棄が行われると、次の順位の相続人が、亡くなった者の財産、債務を相続することになる。相続を放棄した者でも基礎控除の計算では相続人の数にカウントする。

相続債務(債務控除)

相続又は遺贈により財産を取得した相続人のうち債務控除が認められるのは、相続人と包括受遺者に限られ、控除できる債務はその者の負担に属する部分であり、かつ、確実と認められるものに限られる。また、控除すべき債務等の範囲は、無制限納税義務者である場合、制限納税義務者である場合、特定納税義務者である場合によって異なる。

相続税の2割加算

2割加算制度の立法趣旨は、相続又は遺贈により財産を取得した者が被相続人と血縁関係の疎い場合や全く血縁関係のない場合には偶然性が高いこと、また、子を越えて孫に遺贈し意図的に相続税の課税を一回免れようとする場合にも、配偶者や子供、親が相続する場合に比べ、多くの負担を求めることが合理的であることとされている。

代襲相続人

代襲相続は、相続開始以前の死亡、相続欠格及び相続人の廃除の三つに限られる。被相続人の子の代襲相続人は、相続権を失った者の子であると共に、被相続人の直系卑属でなければならない。相続人である子が養子である場合に、その養子に縁組前に生まれた子があるとき、その子と養親との間には親族関係を生ぜず、相続人とはならない。

養子

養子は養子縁組の日から養親の嫡出子としての身分を取得し養親の法定血族となる。養子は他の嫡出子と同等の相続権を取得する。養子縁組は戸籍法に基づく届出により効力を生ずる。養子縁組により親族関係を生ずるのは、「養子」と「養親及び養親の血族」との間である。

相続能力及び胎児がいる場合の申告

民法や判決文で言うところの「相続人」とは、現実に被相続人の財産債務を包括的に承継する権利を有する法定相続人のことをいう。相続人となるためには相続能力を必要とする。具体的に相続し得る能力は、相続順位の範囲で第一順位に属し、相続欠格者又は被相続人に廃除されていない者であることが必要である。

相続人の範囲と順位

相続人は、被相続人と一定の血縁関係を有する血族相続人と被相続人の配偶者であることにより相続権が認められる配偶者相続人の二系統に分類される。血族相続人は被相続人の子、直系尊属、兄弟姉妹である。第一位の血族相続人は子である。被相続人と法律上の親子関係があれば良い。

親族とは

親族とは六親等の血族、配偶者及び三親等の姻族をいう。姻族とは自己の配偶者の血族又は自己の血族の配偶者をいう。父母と子、祖父母と孫など一方が他方の子孫であり、一方は他方の父祖であって血縁が直下する場合を直系血族という。同一ないし共同の始祖から分岐した二つの親系に属する子孫であるものを傍系血族という。