相続税の申告書が税務署に提出されると資産税部門の担当者が国税庁のコンピュータに入力し、申告書に記載されている金融機関、被相続人が過去に取引のあった金融機関や保険会社宛の照会文書をプリントします。照会文書の内容は、被相続人だけでなく子どもや孫、場合によってはひ孫まで、過去3年から5年遡って、取引の内容を照会するものです。
高額療養費とは、医療費の自己負担額が一定額を超えた場合に払い戻される支給金のことで、これは同一世帯の一か月に実際にかかった医療費をもとに計算されます。相続時における高額療養費について、被相続人が受け取った場合でも、相続人が受給すべきものとなりますので、被相続人の相続財産となります。
死亡保険金を受け取った者が相続税を納税する義務を負うかどうかはその保険の保険料を誰が負担していたかがポイントとなります。被相続人が被保険者で保険料を負担していた場合、その死亡保険金は相続によって保険金受取人が取得したとみなされ、相続税がかかります。その他の場合、相続税ではなく贈与税や所得税が課税される可能性があります。
国民健康保険には葬祭費の給付制度が設けられており、国民健康保険加入者が死亡すると葬祭費が支給されます。国民健康保険葬祭費は相続人が受給するものですから相続財産には含まれません。国民健康保険葬祭費は請求すれば給付されます。請求手続きは葬儀を行った日から2年以内に実際に葬儀を執り行った人(喪主)が行わなければなりません。
死亡保険契約を締結している方が亡くなったときは、保険金受取りの手続きを行なうと、死亡保険金が支給されます。故人が加入していた生命保険を確認し、保険金の受取人となっている者が口頭、もしくは書面で保険会社に死亡の事実を知らせると、生命保険会社から必要書類の案内と請求書が送られてきます。
被害者が死亡したことについて、交通事故の加害者から遺族が受け取る損害賠償金は相続税の対象とはなりません。被相続人が損害賠償金を受け取ることが生存中に決まっていたが、受け取らないうちに死亡してしまった場合には、その損害賠償金を受け取る権利、すなわち債権が相続財産となりますので、相続税の対象となります。
相続税の計算方式は遺産課税方式と遺産取得課税方式の二通りです。現行の相続税法は相続または遺贈により財産を取得した人に対し課税する遺産取得者課税方式を採用しています。相続人が法定相続分で遺産を取得したと仮定して相続税の総額を算出する遺産取得者課税方式です。贈与税についても財産を取得した受贈者を納税義務者としています。
新聞に「相続税専門税理士50選」とか「100選」とか広告が出ています。当事務所にも、広告業者が新聞や雑誌に広告を出しませんかと言ってきます。今度は「30選」ですよ、雑誌は「100選」ムック版で出しますよ、などと言ってきます。これは相続が開始して真剣に税理士を探さなければならない人に勧められるのでしょうか。
相続税は、被相続人が亡くなったことを知った日の翌日から10か月を経過する日までに、原則として、金銭で納税しなければなりません。 金銭で納税することが困難な場合は、延納することができます。 延納することが困難な場合に、物納することができます。 よく「物納すればいいじゃない」と簡単におっしゃる方がいらっしゃいますが、上述のとおり、物納は、①金銭納付が困難であり、②延納も困難な納税者に認められる制度です。 納税する資金があるのに延納や物納は選択できません。 また、延納はデフレ経済ではとても不利な選択です。相続した財産の価額が減少していくのに、延納で負担した納税額は変わりません。不動産をたくさん相続なさった方で、相続後10年も経過しないのに相続した土地を全部売っても延納した税金を納税できなくなった方もいるほどです。 これを受け平成18年に特定物納という制度(一定の条件に当てはまる納税者が延納から物納に変更することができる制度)ができましたが、物納できる財産の評価額は物納するときの相続税評価額です。 相続税の納税で物納を希望する場合は、上述の要件を上手にクリアーする必要があります。税理士法人日本税務総研には物納に習熟した税理士がおります。遺産の中に不動産の占める割合が高い方はぜひご相談ください。