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評価の単位である利用単位を決める基準はある?

利用単位の判定には、用途の同一性という観点だけでなく、不動産の組み合わせという観点も考慮することが必要な場合があります。

土地の評価単位と不動産の取引単位

土地の評価単位とは利用単位であり、用途がほぼ共通している土地等の集まりです。不動産市場ではそれが一つの取引単位であり、そこでは価格が成立するための要因がほぼ共通しているので、その不動産が取引され価格が成立します。

利用単位として大きすぎる場合には、最も利用価値が発揮される宅地規模に分割して利用することを前庭に価格が形成されます。高級住宅地の画地規模は比較的大きく、小さい規模の宅地があれば併合されることを前提に価格が形成されます。同じ住宅地でも賃貸住宅の敷地は借家人がそこで生活しているので、隣地の更地と併合して利用することは困難ですから、不動産の取引市場では別々に価格が形成されます。

このように不動産市場といっても不動産によって売手と買手の市場行動が異なるので、個別的な市場となり、それぞれの市場で扱われる宅地の標準的な規模や不動産の利用形態及び権利形態が異なっています。いわゆる高級住宅市場とか賃貸住宅市場とか区別して呼ばれることもあります。そして、それぞれの市場では、地目や現状の用途とは関係なく、最適な用途、最適な規模、そして複合不動産であれば最適組合せであるものが価格のリード役になり、価格が決定されます。

評価の単位の判定

用途の同一性

土地の特性や不動産市場の特性からいえることは、土地の利用単位とは、【図2】のように、不動産が一体となってある用途に供されることでその潜在的効用が具現され、また市場性が認められる取引単位といえます。この場合、ある用途とは、効用が最大限になるように経済合理的に使用すれば選択される使用方法であり、必ずしも現状の使用方法というわけではありません。したがって、現実の用途が農地で会っても、市街化区域にあるため、宅地として利用することが合理的であると考えられ、【図3】のように宅地として利用することを前提として価格が形成されます。

【図2】土地が複数の筆から成っている場合

土地が複数の筆から成っている場合

【図3】市街化区域等内にある農地

市街化区域等内にある農地

評価単位とは利用上の単位であって、不動産登記上の単位すなわち筆数ではありません。

同一所有者が同一地目の土地甲と乙を同一の用途に供している場合は、筆数とは関係なく、一体評価します。

宅地として利用することが標準的使用方法として価格が形成される市街化区域等内の農地は、宅地として利用することを前提として価格が形成されます。【図3】で、田と畑を一つの宅地として利用することが合理的であると考えられる場合には、一体の宅地として評価した価額から宅地造成費を控除して農地の評価をします(これを宅地比準方式といいます。)。

最適組合せ

不動産が複合している場合は、その最適な組合せにより一体的効用を最大限発揮するように不動産が構成され、最適な複合不動産を前提として市場価格が成立します。

このことから逆に、その効用に見合う合理的な費用のかけ方、言い換えると、不動産の構成(不動産の類型)がどうあるべきか、これがわかれば、その構成要素の形式的な名目にとらわれず実質的な権利の内容が把握でき、不動産の構成から評価単位を考えることができます。

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