高額療養費の申請について

高額療養費とは、医療費の自己負担額が一定額を超えた場合に払い戻される支給金のことで、これは同一世帯の一か月に実際にかかった医療費をもとに計算されます。相続時における高額療養費について、被相続人が受け取った場合でも、相続人が受給すべきものとなりますので、被相続人の相続財産となります。

世帯主変更届について

世帯主変更届とは、死亡や転居などの理由により世帯主に変更があった場合に、その事実を市町村役場に知らせる届出のことです。 世帯とは、居住と生計を共にする社会上の単位のことです。 この世帯ごとに代表者となる世帯主を決めなければなりません。 世帯主は、一般的に主にその世帯の生計を支えている人が担います。

亡くなった場合の介護保険料額について

65歳以上の方( 第1号被保険者 )がお亡くなりになられた場合、介護保険の被保険者資格の喪失日はお亡くなりになられた日の翌日となります。介護保険料は被保険者資格喪失日の前月までを月割りで算定し、介護保険額が変更となった場合は、後日、役所より『介護保険料変更決定通知書』が送付されてきます。

老人ホーム入居に係る贈与税及び相続税

入居一時金の支払い債務を負うのは、原則として法人ホームの役務提供を受ける入居者である。妻が入居し夫が一時金を支払った場合、入居契約上入居者が債務者となるなら、夫から妻へ当該一時金に相当する贈与があったことになる。

小規模宅地等の課税価格の特例における二世帯住宅の取扱い

宅地等のうち、いわゆる二世帯住宅の用に供されている宅地等については、その同居の判定が問題となる。構造上内部で行き来が可能な二世帯住宅については、全体を一つの住居と捉え、被相続人と親族が同居していたものと解し、全体について特定居住用宅地等に該当するものとして、この特例の適用が可能とされてきた。

老人ホームで亡くなった場合の小規模宅地等特例

平成26年1月1日以後に開始した相続税の申告においては、相続開始の直前において被相続人の居住の用に供されていなかった場合でも、居住の用に供されなくなる直前にその被相続人の居住の用に供されていた宅地等を、相続開始の直前において被相続人の居住の用に供されていた宅地等と同様にこの特例を適用することとされた。

小規模宅地等の特例

小規模宅地等の課税価格の計算の特例は、被相続人又は被相続人と生計を一にする相続人が事業用に使っていた家屋や構築物の敷地、被相続人等が自宅として使用していた建物の敷地の課税価格を納税者の選択により一定の面積まで減額できる規定である。

配偶者の税額軽減

被相続人の配偶者が相続又は遺贈により財産を取得した場合は、課税財産のうち配偶者の法定相続分に相当する金額(その金額が1億6,000万円に満たない場合は 1億6,000万円 )に対応する相続税を税額控除するというものである。ただし、当初申告の際に配偶者が仮装・隠蔽していた財産はこの軽減特例の対象とはならない。

特別縁故者が財産分与を受けた場合

財産分与の請求は相続人捜索の公告期間の満了後三ヶ月以内にしなければならず、家庭裁判所は相当と認めればこれらの者に清算後の相続財産の全部又は一部を分与する。相続税法は、特別縁故者が財産の分与を受けた審判があったときの時価に相当する金額を被相続人から遺贈により取得したものとみなしている。

各相続人の相続税額を算出する場合の端数計算

各人の相続税額は、相続税の総額(A)を課税価格の合計額(B)に占める各人の課税価格(C)の割合(按分割合)により按分計算する(A×C÷B)。この計算は、各人の課税価格(C)/課税価格の合計額(B)という分数で行えば端数は生じないものの、小数計算を行うと端数が生じる。

相続財産の一部が未分割となっている場合の相続税の課税価格の計算

共同相続人や包括受遺者の間で、相続財産の一部が未分割となっている場合の相続税の課税価格の計算について、相続税法55条に規定がある。このなかで「民法(第904条の2(寄与分)を除く。)の規定による相続分又は包括遺贈の割合」をどのように解するかによって二通りの考え方がある。

未分割遺産の課税価格と分割後の納税者の選択

相続税の課税価格は、各々の納税義務者が相続又は遺贈により取得した財産の価額を基に、また、債務及び葬式費用は各々の納税者が実際に負担する額を債務控除して申告することとなっているが、遺言による分割方法の指定がなく、また、法定申告期限までに遺産分割が調わないときは、各納税者は法定相続分によって申告することとされている。

遺産分割のやり直し

平成2年9月27日の最高裁第一小法廷判例は、次のように共同相続人全員による合意解除による遺産分割協議のやり直しが法律上可能であることを認めているが、国税庁は、一貫して、無効原因の伴わない単純な遺産分割協議のやり直しを原因とする財産の移転については、相続による承継ではなく相続人が取得した遺産の贈与であるとしている。

相続人による換価分割

相続財産のうち分割が確定していない財産を換価し、換価代金を分割する方法がある。これを換価分割という。未分割状態の遺産は潜在的に法定相続分で各相続人に帰属しているので、原則として、未分割で処分する場合は、法定相続分の割合による共有持分に基づく譲渡があったこととなる。

未分割遺産から生ずる所得の帰属者

未分割遺産は共同相続人の共有とされているから、共有財産から生ずる賃料等の法廷果実は民法の規定による相続分又は包括遺贈の割合に従って相続人に帰属する。未分割遺産から生ずる法廷果実は遺産とは別個の財産であり、相続人が相続分の割合により確定的に取得し、賃料債権はその後になされた遺産分割の影響を受けない。