口座名義人が亡くなった事実が銀行に連絡された時には、預貯金口座が一旦凍結され、引き出しをはじめ全ての取引ができなくなってしまいます。
亡くなった方の預貯金はお亡くなりになった時点で相続財産となり、相続人の一部が許可がなく預貯金を引き出すことが不可能な、相続人同士の共有財産となります。
遺言書がある時は、遺言書の内容に従って手続きを進めていきます。遺言書に名前が明示されているときは、その方が預貯金の受取人になります。
遺言書がない時は、相続人全員が話し合い、トラブルがなく円満に解決するように、誰が何を相続するのか、誰が代表して受取るかを決めます。
相続届とも呼ばれる下記の書類が必要です。
(注)多くの金融機関では、被相続人及び相続人の戸籍謄本について、法務局が発行した「法定相続情報一覧図の写し」によることもできます。
相続争いや相続に関して意見がまとまらない時には口座凍結の解除を行なうことは出来ません。
銀行も後で責任を負わされることを嫌って、この点は注意深く事務処理を行うことになります。
遺言書、遺言者の除籍謄本、遺言執行者の印鑑証明書、遺言執行者の実印を押印した払い戻し依頼書などが必要になります。
相続税の申告、納税が必要な場合は、相続の開始から10ヶ月以内に相続税を納める義務が発生します。
例えば、死亡保険金や相続人固有の預貯金が多額にある方で、その中から相続税を納税できる相続人は問題ありませんが、そうでない場合には、相続財産から納税することとなるために、申告期限(納税期限)までに問題なく預貯金の凍結を解除できるようにしなくてはなりません。最善の方法は遺言書を作成しておくことです。
遺言書がある時は非常にスムーズに手続きを行なうことができ、基本的には被相続人と遺言執行者関係の書類を揃えれば凍結を解除できます。