相続税専門の税理士とは

相続税では「財産の評価」が非常に重要で、財産評価理論に通じている必要があります。同族会社の評価を行うには会計の知識も必要です。「時価」とはどういうものか真剣に悩んで勉強したり、研修を受けることが必要です。

被相続人が所有している土地の上に同族法人の建物があったり、法人所有の土地の上に被相続人の所有している建物があったりする場合、借地借家法や「法人税・相続税における借地権課税」の理解が相続実務では不可欠です。

「相続税専門の税理士」を整理すると、「相続税法と民法、法人税法、簿記会計並びに評価」理論実務に精通し、弁護士と専門的な会話ができ、公認会計士とも会話できる能力を備えた税理士、ということです。

税法を専門的に理解している税理士を見分ける

基礎控除と非課税の違い

相続人が相続開始前7年以内に受けた贈与は相続税に加算されます」

この説明は誤りです。7年内加算を受ける人は必ずしも「相続人」ではありません。相続人も財産を取得しなければ7年内加算をされることはありません。

「贈与税は110万円まで非課税です」

この表現は不正確です。「110万円の基礎控除があります」というのが正しい理解です。

この二つの勘違いが関係すると、用語の違いでは済まされないことが起きる可能性があります。

相続又は遺贈により財産を取得した人(かならずしも「相続人」に限りません。)が被相続人から相続開始前7年以内に受けた贈与は、相続財産に加算して相続税を計算します。基礎控除以下の贈与でも加算されます

110万円まで「非課税」でしたら理論上加算されません。110万円という数字は「基礎控除」をあらわす数字です。
税法では、非課税財産ならば加算されず、基礎控除だから加算されるのです。

小規模宅地等の特例(自宅が80%減額)で下がるのは「評価」ではありません。

被相続人が相続開始直前に自宅として使っていた家屋の敷地は、特定の人が相続または遺贈により取得すると、評価額の80%を減額した金額が課税価格とされます。

被相続人の自宅の敷地の続税評価額が5,000万円とします。
「小規模宅地等の特例」が適用できると、相続税の課税対象となる課税価額は80%減額され1,000万円になります。

被相続人の自宅の敷地を一定の人が相続又は遺贈により取得するからといって評価額が下がることはありません。課税価格が80%減額されるのです。

一見細かいことですが、神は細部に宿るといいます。
しっかりとした基礎知識を身に着けている税理士に依頼することが遺産を守るために大切です。

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