遺産分割協議のやり直し

一部の相続人を排除して他の相続人だけで分割協議を行った場合、その分割は無効です。後から他の相続人が出現したりして、先の分割協議が相続人全員によるものでなかったようなときには、有効な遺産分割協議としては成立していませんので、新しく判明した相続人も加え改めて相続人全員による分割協議が必要です。

貸付事業用宅地等についての小規模宅地等の特例の概要

貸付事業用宅地等についての小規模宅地等の特例は、被相続人又は生計同一の親族が行っている貸付事業の用に供されていた宅地等を取得した者(被相続人の親族)が貸付事業継承要件や保有継続要件などの要件を備えた者である場合には200㎡まで課税価格を50%減額するものです。

特定居住用宅地等についての小規模宅地等の特例の概要

特定居住用宅地等についての小規模宅地等の特例は、被相続人若しくは被相続人と生計を一にする親族が相続開始前から居住している建物の敷地の課税価格を330㎡まで80%減額する特例です。この特例の適用を受けるためには、少なくとも配偶者又は被相続人と同居していた親族若しくは自己又は自己の配偶者等の一定の親族等が所有する家屋に居住したことがない親族が被相続人等の居住していた建物の敷地を相続又は遺贈により取得することが必要です。

選択した宅地の選択替え

小規模宅地等の特例の適用がない宅地等を誤って選択をして申告した場合には、修正申告等により改めて選択した小規模宅地等の特例要件を満たしている宅地等について特例の適用が租税特別措置法69条の4に規定する宥恕規定により認められます。

相続税専門税理士

相続税専門の税理士を整理すると、相続税法と民法、法人税法、簿記会計並びに評価の理論と実務に精通し、弁護士と専門的な会話ができ、公認会計士とも会話できる能力を備えた税理士、ということです。税法を正しく理解し、財産評価理論に通じ、会計の知識を持ち合わせ、借地借家法や「法人税・相続税における借地権課税」の理解が求められます。

特定の一般社団法人等に対する相続税の課税(概要)

特定の一般社団法人等の理事が死亡した場合、相続開始時のその特定一般社団法人等の純資産額を、その時の特定一般社団法人等の同族理事の数に1を加えた数で除して計算した額に相当する金額を、被相続人から遺贈により取得したもの、さらに特定一般社団法人等を個人とみなし、特定一般社団法人等に相続税を課税することとされました。

相続人がいない相続

相続人が不存在で遺言書もない、または遺言書があっても一部の遺産についてしか書いておらず遺産が残る場合、遺産は最終的に国庫に帰属します。最終的に国庫に帰属されるとしても放っておけばよいのではなく、「被相続人に相続人がいない」ということを法的に成立させ、被相続人の財産と借金を精算し、最終的に残った遺産が国庫に帰属されます。

相続についてのお尋ね

相続税の基礎控除額以上の財産を残しているであろう方が亡くなった場合、おおよその遺産総額を把握し、相続税申告の準備を確認し、相続税の申告を促すものが「相続についてのお尋ね」という書面です。単なる通知に過ぎず、必ずしも書面の内容通りに相続税が発生するわけではありませんが、相続税の申告が必要か不要か、税理士に相談するのが安心です。

国民年金死亡一時金について

国民年金に加入していて第1号被保険者として年金保険料を36ヶ月以上納付していた方が、老齢基礎年金・障害基礎年金を一度も受け取らないまま死亡してしまったときに、その方と生計を一にしていた遺族に一時金が支給される制度である国民年金死亡一時金は、所得税も相続税もかかりません。

年金の相続手続き

厚生年金や国民年金などを受給していた人が亡くなった時に受け取る遺族年金は、所得税も相続税も課税されません。会社から遺族の方に退職金として支払われる年金は、退職手当金等に含まれて相続税の対象となります。個人の年金保険契約で、遺族の方が残りの期間について年金を受け取る場合にも、相続税の対象となります。

高額療養費の申請について

高額療養費とは、医療費の自己負担額が一定額を超えた場合に払い戻される支給金のことで、これは同一世帯の一か月に実際にかかった医療費をもとに計算されます。相続時における高額療養費について、被相続人が受け取った場合でも、相続人が受給すべきものとなりますので、被相続人の相続財産となります。

死亡保険金の税金について

死亡保険金を受け取った者が相続税を納税する義務を負うかどうかはその保険の保険料を誰が負担していたかがポイントとなります。被相続人が被保険者で保険料を負担していた場合、その死亡保険金は相続によって保険金受取人が取得したとみなされ、相続税がかかります。その他の場合、相続税ではなく贈与税や所得税が課税される可能性があります。

国民健康保険葬祭費とは

国民健康保険には葬祭費の給付制度が設けられており、国民健康保険加入者が死亡すると葬祭費が支給されます。国民健康保険葬祭費は相続人が受給するものですから相続財産には含まれません。国民健康保険葬祭費は請求すれば給付されます。請求手続きは葬儀を行った日から2年以内に実際に葬儀を執り行った人(喪主)が行わなければなりません。

死亡保険金の請求について

死亡保険契約を締結している方が亡くなったときは、保険金受取りの手続きを行なうと、死亡保険金が支給されます。故人が加入していた生命保険を確認し、保険金の受取人となっている者が口頭、もしくは書面で保険会社に死亡の事実を知らせると、生命保険会社から必要書類の案内と請求書が送られてきます。

交通事故(死亡事故)による損害賠償金

被害者が死亡したことについて、交通事故の加害者から遺族が受け取る損害賠償金は相続税の対象とはなりません。被相続人が損害賠償金を受け取ることが生存中に決まっていたが、受け取らないうちに死亡してしまった場合には、その損害賠償金を受け取る権利、すなわち債権が相続財産となりますので、相続税の対象となります。